プログ
暴れることこそなかったが、熱い体内に早く侵入したくて、レオンハルトはレイフェルに唇を重ねながら、くちっ、くちっと音がするまで一本の指でそこをかき混ぜた。
少し離れて、置いてあったオイルの入った小瓶を手にとり、それを指に絡めて、今度は二本の指で蕾に突き入れる。

「んあっ」
びくん。
中をかき混ぜるたびに、細い腰を捻って嫌がるレイフェルを、口付けであやすように愛撫する。
胸の先端にかじりつき、肌をはうように下と唇を這わしながら、トロトロに蕾がとろけるまで、中をかき混ぜ続けた。
奥のほうにはまだ指を入れていない。

「んっ」
レイフェルをうつぶせにして、背骨のラインを唇でなぞり、肩甲骨を舐め上げる。
ぐちゅり!
奥まで突き入れると、そんな卑猥な音がした。
「いあっ」
震えるレイエフェルの体を抱きしめて、三本目を入れる。
そのまま、奥を拡げるように動かして、こりっと音がする場所を指の腹で撫でると、体の下にいたレイフェルが痙攣した。
「やああああ!!」

(この反応は・・・・)
前立腺はここかと、何度もそこを指で犯す。
「あ、あ、あ!!!拡げ、ないでぇ!」
ぐちゅぐちゅと、指を突き入れては抉り、また突き入れてバラバラに動かす。嫌がる言葉を無視して、中を拡げてみる。そんな行為をしばらく続けていたが、レイフェルが自分から仰向けになって、足を開いた。
「もういや・・・・・どうせぐちゃぐちゃにするなら、早く!」

涙で濡れた顔が、汗と一緒になっていくつかの髪を肌に張り付かせている。
「んう!」
レイフェルの舌で、唇を舐められたとき、僅かに残っていた理性が吹き飛んだ。
「ん!」
舌を絡めあいながら、もう申し訳程度しか身に衣類を身につけていないレイフェルを完全に組み敷いて、足を更に広げさせて、自分も上半身裸になって、汗だくになりながら、前を寛げて凶器の熱い楔を、ぬるぬるするレイフェルの下半身にすりつけた。

ぬる、ぬると、そんな音が聞こえそうだ。
ぐちっ。
最初は、そんな音だった。
ズ、ズズズズ、ズグググ。
直接内臓を押し上げる肉が、レイフェルの内側を掻き分けて犯していく。
「あ、ああああ!!!!」
ひくんと、レイフェルの呼吸が止まり、体が痙攣していた。
その体を抱きしめ、口付けをしながら無理やり引き裂いた。
奥まで。

それだけで、熱いレイフェルの中はトロトロしながらもきつく締め付けてきて、射精してしまいそうになる。
それを我慢して、更に奥まで突き上げた。
「ちゃんと呼吸して。ほら」
苦しそうな前をぐちぐちと手で擦りあげて、その快感で内臓を犯されて押し上げられる苦しみを味わっているレイフェルの痛みと負担を減らそうとした。
「あ・・・・あ、いああ、触らないでぇ!」
きゅっと、前を擦るたびに後ろがきつく締め付けられる。
それにもう我慢できなくなって、レイフェルの足を肩に抱えると、激しく何度か突き入れて、中にドクドクと浅ましい欲望の液体を放った。
「あ・・・・・」
コプリと、蕾から抜くとそれはすぐに逆流して、粟立った体液で汚れたレイフェルの下半身を伝い、太ももを伝ってシーツを汚した。
そんなことはどうでもいいのだと、またすぐに突き入れる。

そして、何度も何度も揺さぶった。
「うわああああ!!!」
オーロラ色の長い髪が宙を舞う様が、美しかった。
結合部がぐちゃぐちゃと音を立てて、突き入れるたびに、ず、ずずずずぐぐと、内臓を押し上げる音がした。オイルのせいで、すべりのよくなっている内部を思い切り犯すためだけに、肉の楔を打ち込む。
何度も、何度も。
達しても、また突き入れて、角度を変えて内部の肉を抉った。

「あ・・・は・・・・レオ・・・・ひっ」
すでに体位を変えて、後ろから突き入れる。レイフェルの前立腺をすりあげて抉り、横向きにして足を持ち上げてグチャっと、結合部が音を立てるくらい荒く突き入れると、レイフェルは背をしならせた。

「いやああああ、あ、あ!あ・・・・・うあああ!!!」

喘ぎ声というよりは、悲鳴だ。
甲高い悲鳴を聞きながら、だんだんそれにも隠し切れない甘い声が混じっていく。

「うあああ、んあ、あ、あ、は・・・・はぁっ」

荒い呼吸を整えようとするたびに、体を引き裂かれるように、入り口まで抜かれて、奥まで突き入れられて、それでも足りないと激しく揺さぶられる。
自慢のオーロラ色の髪が、どちらとも知れぬ精液で汚れていた。

「あ・・・・あああ・・・・・・うあん!」
ぐちゅりと、音をたてる場所を何度も抉る。ストロークを繰り返しては揺さぶる。
レイフェルの華奢な体にはかなり負担のかかる、激しいセックスだった。

お互いの快感を求めるというより、貪られるだけの。

「いやああ・・・・・こんなの、私じゃ、ない・・・・いやああああ」
(グズグズになって溶ける・・・・・奥がじんじんする・・・・)
挿入されるたびに、奥が擦れてそれが気絶しそうなくらいに、いいのだ。

「認めてしまえ。気持ちいいんだろ?感じてるんだろ?」

「いやあああぁぁぁ・・・・・・・」

犯されながら、泣いて、啼いて、声がからからになりそうな悲鳴をあげる。
ズチュンと音がたって奥を抉られると、骨が軋んだ。甘い痺れが全身を駆け抜ける。
(もう、だめだ・・・・激しすぎる・・・・ついて、いけない・・・・・)

「ああ!!」
「愛している、レイフェル」

前をすられることもなく、最後は後ろを犯され続けたことでイってしまったレイフェルは、闇に落ちるように、快感など認めたくないが、またぐちゃぐちゃにされたという屈辱と、これのどこが愛なのだとレオンハルトに怒りを抱きながら、意識を失いそうになる。

(でも、でも。欲しい)
「っ・・・・・レオン・・・・キス、してぇっ」
どうしようもなく、この男のキスが欲しい。口付けが。
レオンと愛称で呼び、この上もなく甘い強請り声を出して、レオンハルトの腰に足を絡みつかせて、肩にかみついてやった。もう、この男の背中は綺麗に伸ばしている自分の爪で肌にいくつも引っかき傷ができているが、お互い様だ。

こんなにぐちゃぐちゃにされてるんだから、私は。
同じ、男に。


「ああ。愛してる」

「んう!」

レオンハルトは、レイフェルにディープキスを繰り返し、最後に内部の奥の奥で、また射精した。

「ああ・・・・中に出さないで・・・・いや・・・・中はだめぇっ」

女ではないのだから。
孕むわけでもない。
でも、奥は、中で出されるのはイヤだ。後始末とかの問題ではなくて。

じぃんと、脳が痺れるような感覚が全身を支配して、それにガク、ガクンと力の抜けた四肢が反応して、そしてピタリと止まった。

(奥に射精されて感じるなんて・・・・最低だ・・・・・・・)

完全に意識を手放しながら、激しすぎる久しぶりのセックスに、けれど体は完全に反応していた。ついていけなくて、最初はよく気絶したのに、最後まで意識を保った。
何度目かも分からない、達した後も、口付けがくるまでもった。




もう、ドロドロだ。

私は、もうこのレオンハルトという男に犯されすぎて、グチャグチャになって、きっといつか溶けてしまうんだ。

だから、キスをねだる。

愛していると錯覚するために。

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「何・・・・」
すでに、起きると昼を過ぎていた。
その日のレイフェルは眠たそうだった。ここ数日、レオンハルトの仕事であるはずの資料解析を手伝っていたせいだろうか。
それとも、寝室が変わってなかなか寝付けなくなったせいだろうか。

レオンハルトの仕事を手伝う気など、初めはなかった。いくら愛されていると、囁かれているとはいえ、今のレイフェルは、飼い主に飼われた自由のない猫か犬のようで。
自由がほしいとは思ったが、手に入れたところで行くあてもない。
かつて自分を保護してくれていた皇帝の元に舞い戻る手はあったが、後宮にまた入るのは気が引けるし、皇帝は褒美としてレオンハルトに自分を与えたのだ。
それが裏切りだとは思わない。
元々、なんの契約もなく、人である皇帝の元にいただけでその関係は愛人でも親子でもない、赤の他人であって、あの人は少なくともレイフェルを子供のように可愛がってはくれたが、それがレイフェルという希少すぎる種族と、美しすぎる容姿のせいであることは、彼にも十分承知できる事実であった。

ほしいものなど、ない。
愛もいらない。
自由もいらない。
生きていることもどうでもいい。

ただ、欲を出すならば太陽騎士として活躍していた、レイフェルを亜種族として、最後の一人だという同情の視線なしに、シャナの宝石という種族だからという条件など関係なしに、レイフェル個人の能力を尊重してくれる同僚たちがいた、あの世界に戻りたいのかもしれない。
仲間がほしいのだろうか、自分は。
窓から見える空を見上げて、溜息をつく回数が多くなった。
仲間など、そう、この世界に同じ種族などもう何処にも存在しないのに。滑稽なことだ。
人は簡単に死んでしまう。仲間になったと思えば裏切られ、見捨てられ、結局一人になるのはレイフェルなのだ。
太陽騎士たちは裏切りなどしなかったけれど、レイフェルの下についた見習いの騎士はレイフェルを裏切り、人に、レイフェルを奴隷として売ろうとした男までいた。
人は信用できる者もいれば、できない者もいる。
言葉で巧みに信用させておいて、愛していると囁いてきっと最後に裏切り、見捨てるのだ。
そう、レオンハルトとて。獅子と異名を持つ彼とて、太陽騎士であるからといってレイフェルを裏切らない保障はどこにもない。

愛している。
何度そう囁かれただろう。
守るとまで言われた。だが、レイフェルは無力な存在ではない。自分の身くらい自分で守れるが、何かの権力争いや、太陽騎士絡みの争いで身を滅ぼすさないと断言はできない。だが、どんな強大な相手であれ、それがたとえモンスターであれ殺し、身を守ることはまだできると思う。この身にまだ、太陽騎士としてのスティグマを宿し、そして数多くの魔法を唱えることのできるレイフェルが恐れるものは、多分誰かに心を完全に許してしまい、信頼しそして愛してしまうことかもしれない。

そう、誰でもないレオンハルトという太陽騎士であり、自分を褒美にと承り、愛していると体さえ求めてくる、人間の青年が、怖いのだ。
愛されるのは簡単だ。だが、愛するのは難しい。
愛していない人間を、愛するようになるのは、けれど時間の問題なのかもしれない。孤独であったレイフェルを優しく包み込む翼のようなレオンハルトに完全に心を許し、彼を愛するようになるのが果てしなく怖かった。


「ただいま」

太陽騎士としての仕事で1週間、館から不在になっていたレオンハルトが専用の飛行船で帰ってきたのが午後のこと。
その時、レイフェルは館に住み着いた野良猫を抱いて、いつものように図書館のように広い書斎から拝借した本を読んでいた。

「ただいまってば!」
「わあ!」
耳元で叫ばれて、レイフェルは名もつけていない野良猫を放り出して、吃驚して本をレオンハルトの顔に投げつけた。
一種の防衛本能なのか、よく分からない行動を自分でもとったと思う。
子供っぽかった。
レオンハルトが、腹を抱えていつまでも笑うのに腹が立って、噛み付くようにその乾いた唇に、自分の唇を重ねた後、レイフェルは唖然とした。
「あ・・・・・」

寂しくなかったといえば、嘘になる。
いつも隣で、たとえ抱かなくても側にいて一緒に眠ってくれる、優しいレオンハルトが仕事で1週間館をあけると告げられた時、まるで幼子の子供のような目で、彼を見上げたものだ。
その顔があまりにも可愛らしいとバカにされて、メイドたちの前でディープキスを繰り返されて、レイフェルが切れてその足を蹴っておいやったくらいなのだが。

「帰ってきた。おみやげいるか?」
「いらない・・・・」
ふんとあらぬ方向を向いてみたが、すでに自分が仕出かしたことにドキドキと鼓動が高鳴っていた。
「1週間会えなくて、寂しくなかったか?」
「誰が・・・・・ん」

唇に指で触れられて、ふいに声が漏れた。
「お前からキスされるなんて、すごい嬉しい」
「ち、違う!」
かっと顔を赤らめて否定するが、余計に気恥ずかしかった。
「もうレイフェルに1週間も触れてない・・・・もっと触りたい」
ペタペタと頬やら頭を触ってくるその手が顎にかかり、少し上を向かせられた時、自然と目を閉じた。
真っ暗になる視界の中、唇に触れてくる柔らかな温度に気づく。

耳朶を甘くかまれて、耳元で囁かれる。
「やべ。したい・・・・」
「ん・・・・部屋、で。外じゃだめ・・・・」
「分かってる」
抱き上げられて、もうこうなる流れに慣れてしまっている自分が怖いとも情けないとも思った。
新しい寝室は、館の最上階の天井裏に作られた部屋で、レイフェルの部屋として新しく与えられたものだ。どこかのホテルの一室かと思うようなキングサイズのベッドに、少し古めかしい調度品。バスルームまでついていて、前の部屋はそれなりに広かったけれど、元々レオンハルトの部屋であったし、ベッドが少し狭かった。一人用のベッドとしては十分だが、夜にレオンハルトと一緒に眠る習慣がついてしまったので、思い切ってキングサイズのベッドを新調して、倉庫変わりになっていや屋根裏部屋をわざわざ改築したのだ。
水道まで引いて大きなバスルームまでつくり、本当によくやるものだと呆れた。

廊下で行きかうメイドたちは、行儀よくお辞儀をするだけで2人を止める者は誰もいない。
レイフェルは癪だが、落ちないようにレオンハルトの首に手を回していた。

「んう!」
部屋の扉の前にくると、降ろされていきなり深いキスがやってきた。
「ん・・・・・んん」
最初は唇を舐めて、僅かに開いたレイフェルの歯茎を舐めてから、舌を絡め取って、何度も口内を漁るレオンハルトの舌に、レイフェルの体が縮こまる。
「ん・・・く」
酸素を求めて喘ぐと、また舌が入ってきた。
ヌルリとした感触に、ざわざわと背骨が音を立てそうだ。
「んーーー!!」

大きな扉に押し付けられて、両手を戒められて、ぐっと膝で敏感な場所を刺激されて、悲鳴に似た声が漏れる。
「んん!!」
背筋が痺れる。
グリグリと膝で弄られて、もう反応してしまったものは過敏な反応を余計に示した。
「ん!!」
(放して!!)
悲鳴をあげても、かき消される。
「んん!!」
飲み込みきれない唾液が、糸を引いて顎を伝う。
「ん・・・・・あ!」

頭の中が真っ白になった。
キスと服の上から膝でいじられただけて、達してしまったのだ。

ぼうっとなる頭をおさえるように、またキスをされた。

キイと、扉があけられる音が遠くから聞こえるようで。

ベッドに体を押し付けられて、そのまま上の服から胸を弄る手が、ボタンを外して直接白すぎる肌を弄った。
肋骨が浮いた横わき腹をなで上げる。
何度も何度も、しつこくそこを撫でる手。
「ん・・・・・」
だんだん這い上がってくるのが分かった。
胸を目指して、ゆっくりとなで上げられる。輪郭を求めるように、肌をはう指。ボタンを完全に外されて、空気が上半身に触れる。
首筋を吸い上げて、唇と舌で痕を残す。
そのまま、つっと、肋骨が浮いたわき腹を舐め上げて、尖った胸の先端を口に含んで舐め転がす。
もう片方はきつくつままれ、弾かれてぷっくりと浮き上がるそれを、楽しむように、色が鮮やかなピンク色の胸の先端ばかりをいじられた。

「や・・・・・」
必要なまでにいじられて、レイフェルは涙を溜めた瞳でレオンハルトを睨みあげた。
「言ってごらん。触ってほしいって」
「誰が・・・・うあ!」
びくっ!
全身がひくついた。
いきなり、ベルトもしていないズボンを下着ごと下げられて、一度達してしまったのに、浅ましく勃ちあがったものに舌をはわされた。
くにくにと、根元をさするように愛撫しながら、先端を舐められ、口中で愛撫され、その熱い熱にもう何がなんだが分からなくなって、レオンハルトの髪を掴んで首を左右に振った。

「いやあ!や、めえ・・・・・あ、あ!!」
何度も舐めあげられて、先端からトロリと蜜が零れ落ちる。
それを舐めとって、レオンハルトは口中に溜まったつばを飲み込んだ。

(やべ・・・・すっげぇ色っぽいっていうか、扇情的っていうのか)

ビクリと体を震わせて、微かな力で抵抗するレイフェル。
睨みあげるように半分開けられた目は、長い睫で縁取られており、虹色に輝いていた。オーロラ色に輝く長いストレートの髪が、レイフェルの体の下で波うって、シーツを彩っている。
涙を零して、懇願するようにレイフェルは足を閉じようとするが、それを絶対に許さなかった。
パールホワイトの肌は上気してピンク色に染まっている。

「もう一回いってしまえ」
「ああ・・・・・・うわああああああああ!!!」

ひくん。
びく、びくん!!!

何度も体を痙攣させて、レオンハルトの口の中に甘い蜜を放ったレイフェルは、荒い呼吸を繰り返していた。目を見開いて、小刻みに震えている。

「あ・・・・ああ・・・・」

トロリと、少し遅れてまた出た蜜が、レイフェルの太ももを汚した。

「うあ・・・・・・や・・・・・・」
レイフェルの口に少し乱暴に指をつっこんで、口中を犯す。
ピチャリと、水音がするくらいに濡れた指を、蕾にあてがい、一本侵入させると、びくんとレイフェルがまた痙攣した。
「ほら・・・・ちゃんと息をして・・・・そう、いい子だ」

「ふ・・・・あ・・・・あああ・・・・・」

赤子のように、泣きじゃくり始めたレイフェルの涙を舐め取って、指を更に奥に突き入れる。

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室内着のままだった、レイフェルの服を脱がすことなく、木に押し付けて、裾をわずかにめくりあげて、レイフェルの花茎に手を沿わせた。
「な、こんな場所で!」
「酷くされたくなければ、甘えるといい」
「あなたは!」
涙を滲ませたオパールの瞳。でも、扇情的に誘っているようにしか見えなかった。

「あ、あ!」
キスをされながら、弄られる。
しつこく手を這わされて、無理やり勃ちあがったものの先端をカリカリと引っかかれる。
「あう!」
「刺激に弱いな」
「あなたが・・・私を、こんな風に!」
「そうだ。俺がお前を変えた」
「ん・・・・・」
花茎の全体をゆるく撫でて、そしてまた先端ばかりを弄る。
「んー!!!」
口内を貪られて、レイフェルの抗議は言葉にならない。
「んんん!!」
びくんと、腰がはねる。
レイフェルは与えられる刺激で、白い蜜を零した。
「あ・・・は・・・」
真っ白に霧がかかる思考。レイフェルは全身を震わせて、いってしまったその衝撃と快感に飲まれていた。

レオンハルトは、ゆっくりとレイフェルを立ち上がらせた。
「な、何?」
快感の渦の中にいるレイフェルを無理やり、現実世界に連れ戻す。
「ん・・・」
またキスをされる。キスを受けると、また頭がぼんやりした。
「あ!」
下着をすでにとりのぞかれて、室内着を腰まで捲り上げられる。
「ひくひくしてる」
「やあ・・・・言う・・・なぁ」

蕾はすでに、ひくいて、次に与えられる刺激を待ち望んでいるようだった。
「あ!」
レイフェルの蜜を中にいれて、一応いつも携帯している潤滑液も塗りこむ。レイフェルを傷つけたくないからだ。
激しいセックスだと、切れて血が出る場合が同性同士のものでは多いと聞いて、そういう気になった時困らないようにと、すでにレイフェルを外に引っ張り出すときには後ろポケットにつっこんでおいた。
レオンハルトは、最初から外でレイフェルを抱くつもりだったのだ。

「んっ、んっ」
ぐちゃりぐちゃりと、蕾をほぐされて指が増やされて、どんどん好き勝手に暴れていく。
淫猥な音が耳朶を打つ。
かき回される内部は熱くて熱くて、トロトロしていた。

「次に、どうして欲しい?」
指をぎゅっと折り曲げられて、内部を抉られ、その刺激を与えたすぐ後には指は引き抜かれていた。
「・・・・・あっ・・・・」
腰に、レオンハルトの猛り狂ったものを押し当てられる。
あれを突き入れられて、かき混ぜられて、最後に蜜を吐いて果ててしまうその快楽の深さが怖い。もう、まるで麻薬のようで。
「や・・・犯さないでぇ。お願い・・・・」

カツンカツンと、真珠になっていく涙を零して懇願するレイフェルの頭を撫でて、舌を絡み合わせる。
「嘘つき」
「ぐああああ!!」
ぐっと、細い腰を引き寄せて、中に一気に侵入してから、結合部が粟立つくらいの激しい動きを繰り返して、それからゆるいストロークを入れた。
「あ、ああ!!」
レイフェルは、木にしがみついている。
レオンハルトは、後ろからレイフェルを犯していたが、気が変わって、レイフェルの体を反転させた。
「あ!」

蕾から出て行く熱の凶器。びくりと、体がしなる。
出て行くと同時に、入り口付近で射精されて、それを受け入れるしかない。
ズク、ズブブブブと、またそれを飲み込まされた。
「ン!うあ!」
木に体重をかけて、右足を肩に担がれて、晴天の下緑の木陰で、立ったままという苦しい体勢で犯されるなんて。
「あ、いあ!!」
びくんと、背がしなる。
レイフェルの勃ちあがったままの花茎に手を沿わせて、弄ると、内部がきつくしまった。
「く、しめすぎだ」
「やあ、そっち、さわら、ないでぇ」
「嘘つき。こうされるのが好きなくせに」

服の上からコリコリに固くなった胸の先端をつまみあげ、はじくと、またレイフェルの中がきつくなった。
「んん!!」
「胸をいじられるのも好きだな。この好きものめ」
「いああああ!!」
ぐりっと、中を抉られて、そのまま中でまた出された。
右手はくちゃくちゃとレイフェルの花茎を扱い、先端を指で何度も擦って、それから先走りが出てきた花茎を、ぐちゃりと音がするまで弄りまくる。
「あ、あーーーー!」
白い蜜を吐いたレイフェルの中は、うねるように、熱くてせまくて、まるで食いちぎられるようなくらいきつかった。

「あ、あああ!」
イったばかりのレイフェルを追い詰めるように、内部の前立腺を抉って、そこを突き上げると、オーガスムの海にレイフェルは叩き込まれる。
イったばかりで、もう何も吐き出さない、そもそも性欲の薄いレイフェルには、2回いっただけでもう出すものなどない。
何もないのに、まだ出したい、蜜を吐きたいとあがく体は、犯されている場所でイくことを覚えた。
「あ・・いあ!」
ひくんと、足が痙攣して背が弓なりにしなった。
「ドライでいくの、最近多くなったな?」
「あ・・・これ、イってるの?私・・・女みたいに・・・犯されていっちゃってるのに・・・ああああ!」
「その通りだ、レイフェル。愛している」
「あああ!!」
ぐちゅりと、最奥に熱を叩き込んでやった。
レイフェルは、ずるずると、木に背中をおしつけて、その場に屑折れる。

「愛しているから。俺を愛せ」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
「随分もつようになったなぁ?」
捲くられていた室内着を元に戻されたけれど、勃ったままの花茎はまだそのままだ。それに気づいて、レオンハルトは意地悪そうに笑って、足でその場所をグリグリと刺激する。
「いやあ!」
「いけない子だと、前にもいっただろう」
「や、めてぇ。そこはだめぇ!」
「後ろでは俺を散々くわえ込んでるくせに」
「いあ!」

レオンハルトは、レイフェルの服のボタンを外していく。そして、まだたったままの花茎に舌を這わせ出した。
「いやああああ、やめて、やめて!」
暴れるレイフェルを静かにさせるなんて、簡単なことだった。
手首を紐で戒めて、足を開かせるだけ。

「あ、あ、いやあああ!」
トロリと、甘い蜜の味を確かめながら、先端を舌でつついて、全体を舐めあげる。
「もう1回くらい、いけるだろう?」
「無理、だからぁ!愛してるから、やめてぇ」
一瞬、レオンハルトはレイフェルの愛しているという言葉に動作を止めたが、苦し紛れの言い訳にしか聞こえなかった。
「俺も愛している。だから、きもちよくさせてやる」
「やめ・・・・ひっ」

ねっとりとした口の粘液に包まれて、何度も吸い上げられて、レイフェルはもう出せないと思っていたのに、わずかばかりの蜜をレオンハルトの口内に吐き出した。

「あああ!!!うああああああ!!!」
顔を交差させて、獣ように高く啼くレイフェルの姿に、またぞくりと、犯したくなったけれど、壊してはいけない。
愛しているのだから。
愛していることを教えるために、わざわざ抱いているのだから。

欲望を解消させるだけなら、花街の色子か女でも抱いているだろう。
「あ・・・空が白い・・・空が落ちる・・・・」
レイフェルは、レオンハルトの首に噛み付いた。意識を、最後まで手放すことなく、レオンハルトの情事についてきたレイフェルは、淫靡にして美しかった。



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「ファウが・・・・・私が太陽騎士2位に、勝手に現在の教皇に任命されたのを撤回してくれたと」
館に戻り、全てをレイフェルに聞かせると、レイフェルは涙を零した。
「ファウは、私を許してくれているだろうか。勝手に太陽騎士を辞めた私を」

「んー。分からないが、少なくとも手に入れたのなら愛してやれと言われた」
「ファウが?」
オパール色の瞳をあげる。
カレードスコープ・アイが展開して、色が変わっていく。
「そうか。私は、ファウが大好きだから」
しの言葉に、レオンハルトは押し黙る。
「俺よりも好き?」
「無論、ファウのほうが・・・・え・・・と・・・」
館の、レイフェルの自室で、レオンハルトに報告を受けてそう答えたのだが、レイフェルは墓穴を掘ったかもしれないと、後悔した。

「今日はいい天気だなぁ。外で少しティータイムでもしようか」
「え?ええええ!?」
レオンハルトに無理やり手を引っ張られて、侍女に用意をさせて、レイフェルは蒼い空の下でレオンハルトと二人でティータイムに突入することになった。
侍女が焼いてくれた菓子はクッキーで、香ばしいながらも甘くて、レオンハルトが入れてくれる紅茶にはよくあっていた。

空を見上げれば紺碧。
そう、紺碧のファウの色。
棚引く白い雲、優しい太陽の日差し。
木陰のテーブルの椅子のある場所では、さわさわと緑がざわめていて、レオンハルト邸は自然を取り入れた庭のつくりになっていて、小さな森まで所有地に入っている。

緑の匂い。紅茶の甘い匂い。クッキーの香ばしい匂い。
昼過ぎのまどろみにはちょうどいい時間帯。
空気は綺麗で、透明な色を残して大地は優しい太陽に照らされて、少し暖かくなっていた。

「もともと・・・・太陽騎士ができたのは、金の一族をどうにかするためで」
「知っている」
今となっては、アーティファクトの回収が最重要の仕事となっているが。
太陽騎士がアーティファクトを回収しだし、それを悪用した人間を消すようになったこの社会においても、未だにアーティファクトの悪用や個人使用、戦争などに使おうする愚かな輩は跡を絶たない。
それに対処すつのが太陽騎士団なのだ。
太陽教会本部にある太陽騎士が駐在する「エリアデ」は最新技術を駆使した大型飛行船であると同時に大型戦艦でもあった。
戦争などにアーティファクトが使用された場合、16人しかいない太陽騎士で対処が難しい場合はこの「エリアデ」が出動する。
そして、太陽騎士たちはスティグマを発動させて、戦争さえも回避させるのだ。

「お前がきてもう1ヶ月か。どうだ、少しは俺のことを愛してくれたか?」
「知るか!」
レイフェルは、紅茶を飲み干した。
パールホワイトの肌に僅かに朱がさしているのに気づいて、レオンハルトは押し黙る。
「1週間任務で帰ってこれなかったのに。はぁ。冷たいな」
「太陽騎士をしているからだろう。それがいやなら辞めてくればいい、あなたも。私のように」
だが、レイフェルは完全に太陽騎士を除名されたわけではない。今でも名と4位の在位するとされて、席は残されている。

レオンハルトは、紅茶を飲み干して上等な絹の衣装が汚れるのも構わず、地面の草の上に寝転んだ。
「お前もこい」
「命令するな!」
そう悪態をつきながら、でもレオンハルトの横に座るレイフェル。
今日飾った髪の花の色は緑で、地面の草と同化しそうだ。
長い睫が、パールホワイトの肌にくっきりと影を作っていた。オーロラの髪は草の上に流れるようにまるで、神秘の滝のように輝いていて。
「ん」
手をひっぱられて、レイフェルはバランスを崩した。レオンハルトの胸の上に手をついて、浅く呼吸する。
「レオン」
甘い息がかかる。
「そんなに、私を愛しているというのか。私なんかのどこがいいというのだ」
「全て」
「ばかなことを・・・・」

レイフェルは軽く笑った。
小鳥の鳴く声が、それに重なった。
少年のボーイソプラノを保った、やや高い声。
嫌いではないと、レオンハルトは思う。レイフェルの声は、とても聞いていて安心するというのか、耳に馴染むまるでオルゴールのような、そんな感覚がする。
「んっ」
唇を貪られて、レイフェルはレオンハルトの胸についていた手に力をこめる。
「キスは好きなのにな?」
「悪いか」
「いいや」
「んん・・・・」
また、舌を絡ませあって、キスを繰り返す。

皿を下げにきた侍女にここにしばらく誰も近づかせるなと命令して、レオンハルトは紺碧の空を睨んだ。
「お前の中のファウを、俺で塗り替えてやる」
「何を・・・・あっ」

拍手[2回]

「・・・・・・・・・・・」
沈黙したまま、レイフェルはレオンハルトの胸に顔を押し付けていた。

どうしてこうなったのか。
休暇が終わったレオンハルトは7位の太陽騎士の正騎士として、任務に出かけるはずではなかったのか。いや、実際は昨日の間に太陽教会、本部である場所にいって、次の仕事を任命され、その待機のために屋敷にいることとなったのだ。
いつでも、通信で出動命令を受けれるようにと。同じ仕事についたのは、1位の紺碧のファウ。
だが、ファウはレオンハルトに出撃命令が下されるより早く、その任務、同じ仕事をすでに片付けてしまった。あまりの手際のよさに、レオンハルトも言葉が出なかった。

1位のファウは、25歳くらいの普通の青年であった。そう思っていた。18歳の時、レオンハルトが太陽騎士になってから全く容姿が衰えないことには少し違和感を感じたが、エルフなどの亜人種の血を引いているのだろうと思った。
だが、その実態はかつて200年以上前に、この太陽教会でも有能と名の知れた教皇アグナール。9位のイシャと、現在2位に任命されたレイフェルを太陽騎士に任命した教皇である。
会話をしてみたが、淡々としていて、カリスマに優れており、1位として十分な力をもった太陽騎士・・・・そう、イメージでは脳に刻まれたままの姿に変わりない。

「あれを手にしたのだろう」
太陽教会本部、太陽騎士が駐在する「エリアデ」という大型飛行船の内部で、ファウは仕事を片付けたことをレオンハルトに告げて、そしてこう切り出した。
「あれはお前の手に・・・・おえる存在かどうか。まだ私にも分からぬ。愛したというのなら、最後まで愛してやることだ」
「おい、ファウ!」
現在の教皇レグナールに、仕事を終えたことを報告するために、ファウは「エリアデ」から教会本部へと歩いていく。
「あれが2位に戻るなど・・・・我は反対だ。我が信念に基づき、愚かなる教皇の宣言は撤回させる」
ファウの言葉は、太陽騎士全ての言葉でもある。1位はそれだけの力がある。
ファウは、教皇レグナールと対面し、レイフェルを太陽騎士に戻すなど、本人に意思の確認もなしに、いかに4位の太陽騎士がこの世界に目覚め、再び太陽騎士として活動するスティグマを備えていたとしても、本人が太陽教会に出向いて、太陽騎士になることを承諾しない限り、良しとせぬと、教皇を弾劾した。

「だがファウ、あれは、女神をもつ」
教皇レグナールは、その名がアグナールに似ているのも道理、アグナールの遠い親戚にあたる聖職者の血過ぎである。
最も、教皇を辞めて太陽騎士として生きる、今はファウである者にとって、レグナールなど、自分の血を引いているわけでもないので、身内になど入らないらしい。
ファウに子はいない。
ただ、ファウの親戚であった者が子をなし続け、その結果、聖職者の血筋に生まれただけのただの偶然。
レグナールと名づけられたのも、元々は、かつて200年ほど前に太陽教会で教皇の鏡と言われたアグナールの響きを入れた、それだけのこと。

「ファウ・・・・いえ、アグナール殿!私はレイフェルと名を変えて、この世界に目覚めたあの太陽騎士が、再び我らと共に活動してくれることを望んでいるのです!」
教皇レグナールは、ファウがかつての教皇アグナールであることも知っているし、アーティファクトを使用して不老化した人間であることも知っている。
太陽教会の中でも秘匿中の秘匿ではあるが、教皇は実質のTOPである。その秘匿の真実を知っていても、不思議ではあるまい。

「それは許さぬ。我が許さぬ」
ファウの言葉に、教皇レグナールは折れて、レイフェルを太陽騎士2位にしたという宣言を撤回し、4位に降下されてしまった風の道標ライシャードは、晴れてまた2位の太陽騎士に戻された。
まるで、ファウが本当の教皇であるような、そんな違和感を覚えた。
神聖なる衣を身にまとった教皇レグナールが、1位の太陽騎士に膝を折り、忠誠を誓うその姿は他の太陽騎士たちも驚かせた。

「そういうことだ。では諸君、今回の教皇の言葉はなかったということになる」
ファウは、任務中の太陽騎士には通信を入れ、「エリアデ」に駐在していたり、太陽教会に呼ばれた太陽騎士たちに、「教皇の宣言はなかった」と、一言で片付けてしまった。

ファウに、どうしてだと詰め寄る太陽騎士などいない。4位のまま空白であるのに、席はまだある太陽騎士がいきなり2位になって出張るようなことになれば、今の太陽騎士たちの関係も悪化するだろう。特に降下されたライシャードが黙ってはいるまい。

こうして、太陽教会を騒がせた教皇の「宣言」は撤回され、7位の金の獅子レオンハルトは、腑に落ちないこともあるが、できればレイフェルを太陽騎士にしたくなかったのは事実である。一緒に仕事はできるといえばそうだが、2位ともなれば死地に赴くようなことが多くなる。
かつて太陽騎士の歴史の中で、何度も1位や2位、3位などの太陽騎士が命を落としたことがあることを考え
ると、レイフェルには穏やかに普通に暮らして欲しかった。

「何か言いたいようだな」
ファウは、紺碧と異名をとるその名の通り、髪も目も蒼かった。
「7位のレオンハルト。我が何故教皇であったのに、太陽騎士となったのか。何故教皇が我に忠誠を誓うのか・・・いろいろ聞きたいといっている顔をしているぞ」
「それは」
レオンハルトは、1位となって不動のままのファウの圧倒的な、見えぬスティグマの力にすでに、打ち負かされたも同然といった、汗を流していた。
「いずれ、全ての答えがでる。お前は、あれの側にいてやれ。あれの恋人になったとイシャに聞かされ本当に我は卒倒した」
1位が卒倒する姿など想像もできなかった。
ファウは、蒼い髪を翻して、太陽騎士の服装を正すとレオンハルトに敬礼した。
「これより、1位紺碧のファウは次の任務に向かう」
「アイ・サー!」
太陽騎士として、叩き込まれた、上位階級の騎士への敬礼を返すレオンハルト。ファウに、レイフェルのことを聞くのは難しそうだと、何の感情も浮かばせぬ、ファウの蒼い瞳を見ていると、容易に判断がついた。

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「あ・・・・くう」
レイフェルは、苦しそうだった。
ベッドの上で身を捩り、シーツをきつく掴んで、零れ落ちる涙が、シーツの上で真珠になっていく。
パールホワイトの肌は上気して、ほんのり色づいている。

「抱くぞ。いいか?」
確認をとるが、すでにレイフェルの耳には届いていなかった。
「ん・・・・はっ」
酸素を求めて喘ぐ姿が艶かしくて、レオンハルトは一瞬言葉を失った。

蒼い髪に飾った花は、すでにベッドの上に花弁として散ってしまった。綺麗に結われた髪も乱して、オーロラの髪は、ベッドのシーツの上に流れるように線を描いて、枕元から、床へと続いている。
レイフェルの髪は長い。膝裏まで軽くあるだろう。

一人で髪を洗うのも、かわかすのも大変そうな長さだが、彼は髪を切ろうとしない。シャナの宝石にとって、髪は長ければそれだけ美しいという文化をもっているらしい。
流石に、引きずるようなほどの長さにはしないが、男であれ女であれ、シャナの宝石という種族にあれば、腰よりも長い髪を維持するのが当たり前であった。

老齢化という言葉が当てはまらぬ、亜種族。
種族は混血していようと純血種だろうと、二十歳前後の輝く年代のまま、一生を終えるという。


「ん・・・・レオ・・・ン」
名を呼ばれて、ぞくりと、背筋が粟立つものがあった。
涙ぐんだオパール色の瞳で見上げられる。白系から蒼、真紅へと色を変えていくカレードスコープ・アイは、最終的に翠色の色彩に染まった。

「助け・・・て・・・・苦しい・・・・」
いつもは、名を愛称のレオンなどと呼んでくれないのに。
助けてなどと、口にすることなど決してないのに。
「今、助けてやる」

レイフェルの艶のある唇に唇を重ねると、レイフェルは自分から舌を絡ませて求めてきた。
イシャの薬のせいだろうが、いつもと違う反応に新鮮味を感じるが、これはレイフェルのためなのだと、自分に暗示をかけるように、レオンハルトはレイフェルの唇を貪った。
「あ、あ・・・・」

口内を舌で蹂躙されて、交じり合った唾液が、顎を伝って零れ落ちる。
レイフェルの唾液は甘い。夢中で、貪るように飲み干した。
「んっ・・・・あ、・・・ん」
舌で歯茎をなぞり、唇をなぞり、また舌を絡ませる。何度も互いの唾液を混じり合わせた。そして、ゆっくりとレイフェルの服のボタンを外していく。

白く輝くパールホワイトの肌がなまめかしくて、眩しかった。
日に焼けることを知らぬその肌に、舌と唇を這わせる。
胸の先端を摘み上げて、それを口に含むと、レイフェルは涙を零した。
「やっ・・・・んなの、私じゃない・・・・」

ぼうっと、熱にうなされるような視線が、絡み付いてくる。
服の上から、花茎のある場所をぐっと膝で押し上げると、嬌声が耳を打った。
「あああ、や、ああ!!」
パラパラと、オーロラの髪が零れる。
ペロリと、レオンハルトは唇を舐めた。
ぐっと、また膝に力をこめる。

「こんなにして。いけない子だ」
「やっ」
身を捩るが、もうゆるくたってしまった花茎は部屋着の上からではあまり分からなかったが、こうして膝で刺激してみれば、ありありと手に取るように分かった。
「んー」
唇を塞がれながら、服を脱がされていくが、完全には脱がさなかった。裾から手をいれて、ゆるく花茎を扱ってから、裾を捲り上げた。
「あうっ」
それだけで、レイフェルの体は小刻みに震えた。

下着をとりのぞき、直接ふるふると震えるレイフェルの花茎を、舐め上げた。
「いあああ、あああ、あ、あ・・・・・っあ!!」
逃げようとするレイフェルの体を組み敷いて、そのまま口で何度か扱うと、あっけなく果ててしまった。白い蜜は、本当に甘い味がして、飲み込むのになんの苦労もいらなかった。
「あ・・・はっ」
レイフェルはシーツをぎゅっと握り締めていた。

「今なら、全て嘘にできる。愛している。さぁ、求めるといい、レイフェル」
「嘘に・・・・あ、あ!も、やぁ!」
ヒクンと、体がのけぞる。
レオンハルトは、自分の首を飾っていた飾り紐を解くと、それでレイフェルの花茎を戒めた。
「あ・・・・やああああ、や、レオン、やだぁっ」

用意しておいた潤滑液をとりだして、直接コプリと、熱いレイフェルの蕾に注ぎ込んで、指を突き入れると、それだけでレイフェルの体が弓なりになった。
「や、ああ、うああああ!!」

一本中にいれる。
グチャリと、音がした。
中をかき混ぜて、もう一本追加すると、レイフェルの足がシーツを蹴った。
「や、拡げない、でええ」

構うものかと、レイフェルの中を無理やり拡げて、指をつきたてて、犯していく。
「やらぁ!」
「ほら、もう三本も入った」
指でレイフェルの肉を犯す音が、グチャグチャと二人の鼓膜をうつが、レイフェルは理解していないだろう。涙を零して、身を捩っている。
「んあーー!!」

ぐっと、指を折り曲げられて、前立腺をひっかかれて、レイフェルは声にならない悲鳴をあげて、レオンハルトの手に噛み付いた。
「あーー!!」
「挿入れるぞ?いいな?」
「あ、あ、だめぇっ、だめ、やだっ!」
「嘘つき」
体は、こんなにもあさましく俺を求めているくせに。

本当に、同性とは思えないくらいに淫らだ。レイフェルは、それでいて美しくて、乱れても愛しいとしか思えない。
「あ、あ・・・・・や」
レオンハルトは、前を寛げて、すでにそそり立っていた欲望で、クチャリと蕾をこすった。
「やう!」
コスコスと、何度がこすりあげる。
「これで、お前を犯す。容赦はしない」
「やあ!犯さないでっ・・・・ねがいっ・・・あああ!」
長く綺麗に伸ばされた爪が、肩に食い込む。その痛みさえも、眩暈がしそうなほどに、快楽となる。

「あ・・・・」
ぐちゃっと、先のカリの部分が中に入ると、後は簡単だった。
「うああああああ!!!!」
レイフェルは泣きながら、レオンハルトの背中にしがみ付いた。
前から犯されて、そのままぐちゃぐちゃと肉をかき混ぜられて、中を突き上げていく。
「っく・・・・中が絡みついて・・・・」

「っあ、あ、・・・・・・・ひっ」
ぐちゅりと、最奥まで欲望を叩き込まれて、レイフェルの頭は真っ白になった。
もう、何も考えられない。
淫らに乱れて、意味不明の言葉を出すしか、できない。啼くことしかできない。
何度も突き上げられて、レイフェルは体を震わせる。

かたかたと、全身が小刻みに震えていた。
その体が、ガクンと衝撃で仰け反った。
レオンハルトが、中に精を放ち、レイフェルを思い切り突き上げたのだ。レイフェルは蜜を吐くことを戒められたせいでできずに、ずるずると白い波に埋もれていく。

「あ・・・やあ、ほどいて、ほどいて!!」
涙まじりの、悲鳴に似た懇願を容易く受け入れるレオンハルトではない。
そんなことをしてしまえば、レイフェルはあっけなく果てて意識を手放してしまうだろう。レイフェルを泣かせるためにしているだけではないが、もっとレイフェルをじっくりと味わいたくて仕方ない。
「んあ・・・・」
ずるっと、中から引き出されると、レイフェルの体液と潤滑液とレオンハルトの精液にまみれたものが、こぷりと逆流して、レイフェルの白い太ももを伝い落ちる。

その細い体を、支えて、レイフェルの上半身を起き上がらせた。
「あ・・・・・や・・・・・」
ズクリと、蕾に再びあてがった肉の凶器に、レイフェルは軽いはずの自分の体重で、それを飲み込む羽目になった。
「やあああ、あ!」
びくんと、またレイフェルの体が震える。

オーガズム、ドライでいってしまったらしい。
「またいったのか。何度目だ?」
「しらな・・・・私じゃな・・・こんなの、私じゃない・・・」

レイフェルは首を左右に振って涙を零す。それは真珠となって、シーツに転がった。胸の先端をつまみあげて、指で何度も転がすと、ピンク色になったそれは痛いほどに堅くなっていた。
「だ・・・めぇっ、中を犯しちゃだめっ・・・・」
肉でうがたれ、男であるはずなのに、男に好きなように犯される体が、レイフェルには理解できない。
「あ、あ!」
がくんがくんと、何度も揺さぶられて、オーロラの髪が宙を舞う。

「あ!」
ツウっと、戒められていた花茎から蜜が一筋零れ落ちる。
「こっちを弄られるほうが好きか?」
戒められたまま、花茎を手で弄ばれて、どうしようもない快感に支配されて、もう正常な思考などふきとんでいる。
「あ、あ!」
強弱をつけて、下から突き上げてくる、その逞しい肉体の胸の上に手をついて、揺さぶれる。何度も、何度も。

「いっ・・・・ぐ・・・・ひあっ」
レイフェルを今度は下にした。
レオンハルトが、グチャグチャと蕾を犯しながら、レイフェルを後ろに倒したのだ。
より深くなる結合に、レイフェルは唾液を顎から銀の糸としてつうっと、滴らせた。
「も・・・・許して・・・・も・・・・あ、あ・・・・」

再び前からレイフェルを犯す。
何度も入り口までひいて、そして奥まで叩きつけて、内部をかき回し、抉った。
「あ・・・・」
何度目かも分からないドライのオーガズムに、レイフェルはシーツを握り締めた。
「く・・・・レオン・・・・レオ・・・ああああ!」
レイフェルの体を反転させる。結合部はそのままで。思いがけない場所を抉られて、レイフェルは弛緩する体で啼きまくる。
後ろから犯していくと、もう何度目かも分からない欲望をレイフェルの中にまた注いだ。

「あ・・・・・おわ・・・・」
ズクンとした衝撃と、体の奥に広がっていく熱に、レイフェルはやっと終わりなのかと、光を見出そうとして、また体を反転させられて、啼いた。
「あ、やああああ!!」
もう結合部は粟立ってぐちゃぐちゃで、太ももは白い体液を滴らせて、シーツに染みを作っている。

「レオ・・・・キス、して・・・・」
正常な思考は失われているが、レイフェルはレオンハルトのキスが好きだった。
キスが欲しい。
キスが。
「ん・・・・」

舌を絡み合わせて、ディープキスを繰り返して、そのままレオンハルトにいいように弄ばれて、足を肩に乗せられて、ゆっくりとしたストロークで動かれて、レイフェルはレオンハルトの背中にしがみ付いて、爪をたててひっかいた。
「んあ・・・・あ・・・・・も・・・・・いきたい。いかせてぇ・・・お願い・・・・」
甘い声で強請られて、レオンハルトももう体力つきかけていた。それだけレイフェルを好きなだけ犯し続けた。時間にすると、3時間近く、レイフェルの体を好き勝手にし続けた。

体力のないレイフェルがついてこれないのも無理はない。
「一緒にいくか。よく頑張ったな」
「あ・・・・」
頭を撫でられ、好きなキスをされて、レイフェルは熱に魘されながらも、こくこくと頷いた。
「ん・・・・」
ぐちゅぐちゅと、音がする場所で、またレオンハルトの熱がはじけるのが分かった。この男、どこまでたふなのだと、一瞬正常な思考が脳をよぎった。

「何度・・・私の、体に・・・だせば、気がすむのお・・・・あ・・・・うあ・・・・」
内部を抉られて、前立腺を思い切り刺激されて、レイフェルは言葉を失った。
啼くことも一瞬忘れた。

レオンハルトが、戒めていたレイフェルの花茎の紐をとると、とぷりと、レイフェルは白い蜜を吐き出して、それはレオンハルトの腹にまで飛んだ。
「うああああああああ!!」
大きく喘ぎ、呼吸するのも忘れて、レイフェルは完全にイった。
がくがくと痙攣する手足を、レオンハルトが抱きしめる。
「あ・・・・あ・・・」
酸素を求めて、呼吸を繰り返す肢体。
真っ白な快感の海にずっと飲まれていたのに、おいうちをかけるように、最後のトドメをさされた。
そして最後は、魘されるように、少しだけ小さく喘ぐ。ドライでいきすぎて、実際に精を放っても、その衝撃についてこれるだけの体力はあまり残っていなかったのは事実。

「ん!」
真っ白になった世界が、弾けて、銀色に輝いた。
白い蜜を放った瞬間、レイフェルがふわふわと漂っていた快感の波は大きくうねり、津波のように怒涛の如く押し寄せて、レイフェルの五感を奪い、ただもうイくことだけに全てを支配された。

「あうっ」
ずっとレイフェルの中を犯していたものが抜き放たれた。
その場所はひくひくと、息づいて、白い体液をこぷっと逆流させていく。
「あ・・・・・・・・・嘘、だから・・・こんなの、全部・・・・・・あ・・・・ぁ・・・・・」
声が、どんどん小さくなっていく。
レオンハルトが、ゆっくりと起き上がると、レイフェルは完全に意識を手放して、白くなったままの快楽の海に飲まれて、そのまま沈んでいった。

「嘘でいい。今は、嘘でも」
レオンハルトは、酷く消耗して、熱を出し始めたレイフェルを抱きあげて浴槽でシャワーを浴びせて、自分もシャワーを浴びると、部屋をかえて客室でレイフェルを寝かせた。
「・・・・・・・」

パールホワイトの肌に、いくつもレオンハルトが残したキスマークが目立った。レイフェルがいつも好んで着る室内着を新しく着せてやったが、すでにレイフェルは熱を出していた。
「ん・・・・」
レオンハルトは、水分を口にしては、レイフェルに口移しで与え続けた。
レイフェルは、結局熱が下がらなくて1週間も寝込み、レイフェルに与えた媚薬の効果で二人がどうなったか知りたくて、館に遊びにきたダークエルフのイシャからはやり過ぎと呆れられて、レオンハルトは侍女たちからも責められて、レイフェルが元気になるまで、その体にそういう意思をもって触らないようにすることになった。


そして、なんとか体力を取り戻したレイフェルは、レオンハルトを蹴り倒すと、真っ赤になって髪に花を飾ることも忘れて、その名を呼ぶ。
「レオン!」
「え」
「ばかぁ!」

レイフェルはキスしようとしてきたレオンハルトを、見事な蹴りで床に倒したのだが、それ以上のことはせずに、怒って部屋に閉じこもってしまった。
その可愛らしさと幼い反応に、レオンハルトは、天井を見上げて一人で笑うのだった。
休暇も終わりだ。
また、太陽騎士として仕事を始めなければいけない。
1位の、紺碧のファウと組んで。彼は、レイファナ・・・・当時太陽騎士であったレイフェルのことを知る数少ない人間の一人。



「レイファナを、レイフェルと名を改め、2位の太陽騎士に任命す。現在2位の者は4位に降下す。レイフェルの異名は「光の宝石」より改め「女神の翼」とすることをここに宣言する」
ファウだけでなく、太陽騎士全ての上司である、現在の教皇レグナートの命令が下ったのは、ファウと組んだ直後のことであった。

拍手[2回]

「ん?」
目が覚めると、そこにレオンハルトの姿はなかった。

「レオンハルト?」
眠い目をこすって、部屋の主を探す。
こうやって、一緒に眠ることがごく当たり前のようになってきた最近。仕事でいないときは分かるが、自宅にいる時は、常にレオンハルトはレイフェルの側にいた。


「どこ?」
ふらりと、窓をあけてテラスに出るが、そこにもいなかった。
ベッドで、彼が寝ていただろう場所はまだ温もりが残っていた。遠くには行っていないだろう。
屋敷の何処かにいるのか。

朝食の支度を侍女たちに、告げにいったのかもしれない。
レオンハルトの屋敷は、貴族だけあって、後宮で皇帝ジャッハに与えられた屋敷の数倍は広くて、レイフェルは男性でも女性でもどちらでも着れる室内着に着替えて、部屋の外に出た。

もうそういった形の服になれてしまったが、ドレスはイヤだった。女だと主張するラインが、自分は男なのに何故、女の格好をしなければならないのかと、暗澹になって自己嫌悪に陥る。
ともあれ、室内着は、一枚の長衣であって、下にズボンをはくようなものでもない。でも男性も着るものだからと、レイフェルは人間の文化を受け入れてそれを好んで着ている。
一枚の服でいいし、着飾らなくていいから楽で仕方ないのだ。
本来、身を飾ることが当たり前のシャナの宝石には、あまり馴染みのない格好でもあった。


「花、飾らないと」
髪に花を飾るという、シャナの宝石の文化だけは、かろうじで守っている。
レイフェルは自分が与えられていた部屋に入ると、蒼い珍しい小さな花が花瓶に生けられていた。
「トエル草か。珍しいな」

記憶にある、結構な値段がする蒼い花を手にとって、まずは鏡の前でブラシでオーロラに光る長い髪をとかしていく。それから、髪を丁寧に、両ぎわの髪だけ手にとって、後ろで結ってから、ゴムひもに花を絡ませる。本来なら、真後ろでなく、横に飾るのだが、正式な髪型は面倒なので、レイフェルは避けている。

髪を結ばない日もあるが、花を飾ることだけは忘れない。
だから、いつもレイフェルの部屋には、皇帝ジャッハの後宮にいた頃も、このレオンハルトの屋敷にいる頃もかわらず綺麗な花が生けられている。


朝食までまだ時間がありそうで、レイフェルは書斎になっている部屋にくると、適当に本を見繕って、それを自室にもって帰った。
レオンハルトから、屋敷内であれば自由にしていいと許可はもらってある。
屋敷の外に出たいとは思わない。この色彩を隠すことができない以上、奴隷として捕まえられてどこかの貴族王族か、金持ちに売られるのが運命だろうから。

だから、せいぜい庭を散歩するくらいで、生きてきてこれまで、旅というものは、太陽騎士であった頃以外にしたことがない。
レオンハルトと一緒に、飛行艇に乗って、一度アーティファクトの回収につきあったくらいだ。
あんな短いもの、旅ともいえないし。

レイフェルは、自室で本を読もうかとも思ったが、外の空気を吸いたくなって、侍女たちとすれ違いになりながら、外に出ると、芝生の上に座って本を読むことにした。
侍女の一人で、レイフェルの世話を任されているサニーというまだ少女の年齢の子が、レイフェルに朝食ができたことを教えてくれた。

「ありがとう。もうすぐいくから」
「ええ、はい。あ、今日もお綺麗ですね」
サニーは頬を染めて、レイフェルの美貌に酔いしれた。

サニーは、初めレイフェルを女性だと思っていたらしい。それが、男性だと知って、今でもまだ信じられないようで、出会ったその日に胸を触られて、レイフェルとて対応に困った。
「あ、レオンハルト様は今日は、用事があるとかで、太陽教会にお出かけになりました」

「え」

休暇をもらったと、聞いていたのに。
暇なので、チェスの相手でもしてもらおうと、午後の段取りを決めていたのに、また本を読むだけで一日が終わってしまうのだろうか。

サニー以外に、侍女と会話することもない。皆、誰しもレイフェルの傾国の相に酔いしれて、話にならないのだ。特に若い男と会話することは禁じられていた。執事とかは老齢もあり、許されていたけれど。
レイフェルがこの屋敷にきた頃、屋敷の用心棒であった男が、レイフェルを犯そうとした事件があって、レオンハルトはレイフェルの周囲に男性を近づけないようにしている。

レイフェルとて、ただの人間に好き勝手されるような者ではない。襲い掛かってきた男を、魔法で半死半生の目に、あわせてやったから。それを知って、同じようにレイフェルに手を出そうとしていた男達は、レイフェルを恐れて遠巻きに見るだけになった。

レオンハルトは、その半死半生になった護衛を解雇した。レイフェルをそういった目で見ている護衛も解雇した。
レイフェルに関して、少し甘やかしすぎではないかと、執事がレオンハルトを責めたくらいだ。
なにせ、レイフェルは人ではないのだ。魔法を言葉なしで操り、自分の身を自分で守ることを知っている。それが、レオンハルトには効かない。レオンハルトは、異名の中に「魔法食らい」の名をもっていて、魔法をそのまま体に吸収してしまうスティグマの効果をもっている。

それが、レイフェルにとって運のつきというのか、なんというのか。
愛されているのは、痛いくらいに分かる。
屋敷の中で自由を与えられ、愛妾という形にはなっているが、一人の恋人として、レオンハルトはいつも優しくレイフェルに接してくる。
太陽騎士として仕事があって屋敷をあけたら、いろんな土産をレイフェルに買い与えてくれた。髪飾りや宝石の類がおおい。

今のレイフェルも、髪飾りの他に、指輪やネックレス、ブレスレットなど、お金に換算すると数億リラという巨額の高級宝石を身に着けていた。
全部、レオンハルトからのプレゼントだ。
もらったまま埃をかぶらせておくのも悪い気がして、こうして身に着けているが、その美しい宝石さえ色あせる傾国の美貌をもつ彼は、どんな宝石にも負けないだろう。

オーロラの髪にオパールの瞳、しかもカレードスコープ・アイとして色をよく変える。肌はほんのり光るパールホワイト。まさに人がもつべき色からかけ離れた色彩を有したレイフェル。


「・・・・・・・・・・・・?」
レイフェルは、朝食を食べた後、庭の木陰で本を読んでいたのだが、異変に気づいた。
ゴオオオと、音をたてて、太陽騎士に与えられる小型飛行船が、屋敷の発着所に到着したのだ。それが、レオンハルトのものであれば、NOが7になっていただろう。遠めにも分かる、本来白に輝く小型飛行船は真っ黒に塗られていて、それが、旧知の友人のものであるとすぐに気づいた。
「イシャ!!」

レイフェルは、走り出した。
200年いや、それ以上ぶりに、友人に会えるのだ。
嬉しくて、走るスピードが速くなる。
「イシャ、イシャ!!」
飛行船発着所に息を切らせて辿りつくと、ちょうど黒に塗られた太陽騎士専用の小型飛行船のドアがあくのが同時だった。

「イシャ!私だ、レイファナ!光の宝石、4位の太陽騎士レイファナ・シャナエルだ!」
NO9と描かれた太陽騎士の紋章が、メタリックに光っていた。
「おー。ほんまや。レイファナやんか」
出てきたのは、褐色の肌の27歳くらいの男性だった。何故か関西弁を話す、飄々とした印象の太陽騎士。現在も9位である、太陽騎士イシャ・セラフィタ。

尖った耳は、彼がダークエルフであることを意味していた。イシャは、ダークエルフだが、実年齢を考えると容姿はもっと年老いているはずなのに、太陽騎士になった頃から27歳の容姿を保っていた。多分、持っているスティグマが、イシャをそれ以上外見の老いを止めているのだろう。
「イシャ・・・・懐かしくて、涙が出る」

レイフェルは、涙を零して、旧友に抱きついた。
「ほんま、かわらんなぁ。レイファナ。いや、今はレイフェルだったか?1位の紺碧のファウこと、かつての教皇アグナールもお前さんのこと心配してたんやで」
頭を撫でられて、その心地よさに、レイフェルはイシャにまた抱きついた。
「なんや、泣いてるん?真珠になるで」

カツンカツンと、地面にレイフェルが流した涙が、真珠となって転がる。
「イシャ・・・・」
「相変わらずほっそいなぁ。ちゃんと食べてるん?7位のレオンの恋人になったそうやないか」
「なっ。違う!」
レイフェルは、顔を赤くして否定したが、イシャは笑った。
「なんでもええわ。お前さんが幸せなら、それでええねん」

「イシャ?・・・・んっ」
腰を抱かれて、声が上ずった。
「色っぽくなったなぁ。レオンに食われたんやろう?」
「な、な・・・」
言葉をなくすレイフェルの変わりに、イシャは褐色の肌を太陽にさらして、太陽のように眩しく金色の目を懐かしそうに細める。
「昔は、もっとギスギスしてたもんなぁ。血走った目してて、オパール色の目はいつも真紅やった。綺麗なもんや。カレードスコープ・アイ、本来の瞳に戻ってるやんか」

「それは、その・・・・」
レイフェルは、言葉を濁らせる。
どうこの場をごまかそうか。
「いや、レオン送って正解やったわ。いいもんみれた。1位のファウも、安心するやろ。もう太陽騎士するつもりはないんやろ?」
「それはまだ・・・・答えを、出していない」

イシャの後ろから、ドアがまた開いて、レオンハルトが出てきた。
「イシャ、レイフェルを放せ。レイフェルは俺のものだ」
「いややわ~。イシャは、恋の狩人やで?そりゃ、昔はレイファナ・・・今はレイフェルか。といちゃこらしまくったしー」

ギンと、睨んでくるレオンハルトは、べりっと、イシャからレイフェルを剥ぎ取った。
「いややわー。イシャ、こんなことしちゃう」
何かの液体を口にして、それをレイフェルに口移しで飲ませた。レオンハルトは、怒ってイシャの頭を叩いている。それなりに仲がいいのだろう。


「イシャ・・・・これ・・・・・・」
レイフェルは、嫌な予感がして、顔を真っ赤にしたまま、イシャを睨んだ。
「そそ。新開発の媚薬やったり。これでレオンとレイファナの仲も進展むっふっふ。じゃ、イシャは消えるわ。まだ仕事あるし。ファウに、今度会いに行こうな。ファウ、レイファナが騎士団から去って凄い落ち込んでな。自分が太陽騎士になってしもうたくらいや。教皇が太陽騎士になんて前代未聞、しかもアーティファクト使って不老化とかさー。ファウも危ない橋渡りまくりやけど、実力は確かやもん。でも、レイファナのことずっと気にかけて。レオンと恋人になったって知って、卒倒しとったわ」

「イシャのばかあああ!!」
レイフェルは、涙ぐんで、その場にぺたんと座り込んでしまった。
恩師、かつての教皇アグナールが、1位の紺碧のファウであることは、レイフェルも知っていた。知らないのは、イシャとレイフェル以外の太陽騎士である。

イシャから、1位の太陽騎士、紺碧のファウは、かつての教皇アグナールと教えられて、レオンハルトは驚きのあまり、仕事内容を忘れてしまったくらいだ。
太陽教会本部でも、秘匿中の秘匿である、この件は。


「じゃあなぁ。イシャは恋の狩人。レイファナ、ああ今はレイフェルか。ややこしいな。レイフェル捨てたら、イシャが横から奪ってくからな、レオン!」
「さっさと去ね!」
友人であるはずの、同僚の9位のイシャを、レオンハルトは、その黒い独特の太陽騎士専用の小型飛行船が、太陽教会の本部、太陽神殿に向けて出発するのを見送ったあと、長い息をついた。
イシャが、レイフェルと会いたいとごねて、仕事が終わったついでに自宅まで送ってもらうことになったのだが、会わせなければよかったかもしれない。
でも、レイフェルも喜んでいたようだし。


それにしても、1位の紺碧のファウが、当時の教皇アグナールであったという件が気になる。だが、今はそれよりも愛するレイフェルを介抱することだろう。
「立てるか?」
「立てる・・・いや、無理・・・・」

立つこともできないレイフェルを抱き上げて、イシャの悪戯に、でも、内心ムフフとほくそえんだレオンハルト。レイフェルは、頬を紅潮させて、熱い息をついて苦しそうだ。
イシャが開発する媚薬は相当の効き目があって、裏ルートで販売されている。違法性はないので、それに教会も目を瞑っている。

その売り上げが、全て教会に入ってくるせいもある。
結構な金額で、信者たちの寄付だけでは賄えない、太陽騎士専用の小型飛行船の改良や開発にあてられている。


「俺の部屋にいこうか。きついだろう、そのままでは。レイフェル」
「ん・・・・ん・・・」
抱き上げただけで、すでにくたりと、全身の力をぬいて、レオンハルトにすがりついて、なんとか声をかみ殺そうとしているようだが、うまくいかないようだ。
「楽にしてやるからな」

イシャに、レイフェルに媚薬を飲ませろなどと言ったことはない。イシャの頭を叩いたが、本気で怒ってイシャと不仲になりそうなわけでもなかった。
イシャとて、レイフェルとレオンハルトがうまくいくことを祈っているのだろう。
レイフェルは、かつてレイファナ・シャナエルと名乗り、4位の太陽騎士として血を浴び続けてきた。そして、理由あってコールドスリープ。

愛を与えられて、それにどうやって反応すればいいかも分からない、まだ幼子のようなレイフェルが、たまらなくレオンハルトには愛しかった。

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